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刑法の基本書をあらためて買う 2017.6の記事改訂

大谷實先生の学説(大谷説)を完徹していた身。
1 刑法総論についていうと、大谷先生の「刑法講義総論」。

その新版第4版刊行が2012.5。5年も経っていることは、その間の新判例が載っていないことを意味する。値段も5000円近くして高いし、もしかしたら、近々第5版が出るかもしれない。だから、いまは買えない。

と以前書いていたのだが、2019.5に満を持して「刑法講義総論新版第5版」刊行。即購入。結局ところ、おすすめである。
時を同じくして、前田雅英先生も「刑法総論講義第7版」を刊行。
やはり「エキサイティング」な関係の両先生である(微笑)。

司法試験受験生は、大谷説前田説は…という感覚は正直あるだろう。
となるとポイントは、出版年月が近く、気鋭で定評のある基本書を探すこと。

そもそも共著は除外。刑法は最も体系の一貫性が必要な法律だから。単著が理想で、理想を求めることは、最も刑法的な思考である。難解で膨大なパズルを孤独に一つの体系として構築し確立してほしい。それが刑法の理想だと思う。氏名で「~説」と呼称されるまでになるのはそのため。あと、元が実務家も除外。刑法は最も純理論的な法律学だから。実務はいわば妥協の世界である。その妥協の世界を、生粋の学者が純粋に完璧に美しく理論化してほしい。無理はもちろん承知ではあるが、そこに刑法の出発点があると思う。判例通説に即せば、行為無

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