東京の真ん中をぐるっと丸くまわっている、まあるい緑の山手線、ご存知ですよね。
だいたいみんな、この円のどこかからどこかまで、目的地に向かって便利な範囲で乗って降りますよね。
この円、一周回るとちょうど1時間くらいなんですよ。
「酔っ払って乗ってて一周回っちゃった」なんて話は聞いたことありますが、あえて一周する人ってあまりいませんよね。
だって1時間かけてスタート地点に戻ってくるなんて、都会の真ん中でそんな無駄なことしませんもん。
実は、私、人生で一度だけ、意味もなく一周回ってみたことがありました。
かれこれ20年ほど前、司法試験受験生の時代です。
私はロースクール出身の新司法試験世代一期生なのですが、実はその前、旧司法試験というのも4回受けていました。
いずれも、箸にも棒にもかからず一次試験で落ち続けて、結局一旦諦め、数年後に再チャレンジでロースクールに入ったわけです。
ちょうどその旧司法試験、最後の4回目チャレンジの頃だったと思います。
いくら勉強しても、何をやってもうまくいかなくて、どうすれば良いのかもわからない、キューブの中のネズミみたいな感じで、いろんなことをしてみたんですよね。
喫茶店で毎日深夜に勉強するとか、点数が一点足りないごとに百円をドブに捨ててみるとか(これは結局やりませんでしたが)。
当時、山手線で御徒町から渋谷にある予備校の自習室に通っていたのですが、山手線
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