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債権法改正について(27)(債権譲渡1)

司法書士の岡川です。個人の私法上の権利というのは、権利者がどう処分しようが基本的には自由です。まあ、一身専属権のような性質上譲渡しようがないものだったり、他人の権利を侵害するようなやり方で処分するのはダメですが、所有権だろうが地上権だろうが著作権だろうが、契約で売ることも贈与することも可能です。債権も同じ(466条1項)。債権を売ったり贈与したりすることを、債権譲渡といいます。ただし、債権というのは、相手(債務者)がいますから、何でもかんでもポンポン譲渡されると債務者が困ります。ということで、契約の中で「譲渡禁止特約」の条項を入れておくなど、当事者同士(債権者と債務者)で、債権譲渡を禁止することもよくあります。さて、この譲渡禁止特約付債権を、債権者が第三者に売ったらどうなるでしょうか。現行法では、原則として譲渡禁止特約のある債権は譲渡できない(債務者は、債権譲受人からの請求を拒める)のですが、例外的に譲渡禁止特約を知らなかった人(善意の第三者)にはそれを対抗できない、つまり、譲渡禁止特約付債権であったことを理由として請求を拒めないというルールになっています。では、債権譲渡の当事者同士(債権の譲渡人と譲受人)での譲渡の効力どうなるか、というと、「譲渡人と譲受人の間は有効」という説と、「譲渡人と譲受人の間も無効」とする説が対立しています。改正法では、この解釈が分かれていた点を明確にして

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