今まさに、日本国民一人一人に求められる徳目の数々である。軍国主義の象徴とばかり、敗戦後、GHQにより精神的支柱を奪われた日本国民は、糸が切れて大空を迷走する凧に等しい。
それぞれがまとまりなく、くるくるとぶつかり合いながら、無秩序に空を舞う。「徳」はトクでも、「得」を追い、「公(こう)」を忘れて「個(こ)」に走る。
謙虚を軽んじ、刹那的な享楽に興じる。自分さえよければ、人のことなどお構いなし。戦後67年もの歳月をかけて、日のいずる国が斜陽に転じている。
この危機に、何としても歯止めを掛けなければならないと考えるのは、識者共通の認識だ。
しかし、長い年月かけて作り出した堕落の現状を回復させるには、同じだけの時間、いや、それ以上の時間が必要とされるだろう。
教育の荒廃は、同じく教育で修復するしかないのだが、まともな倫理観を持つ大人が少ないだけに憂慮するものである。
しかし、再び「世界から称賛される日本人の美質」を育むべく、識者を中心として、鋭意努力しなければならない。
そうでなければ、今、先人から引き継いだ祖国に生きるものとして、祖国の礎を築き、祖国を愛し、祖国とその末裔のために自らの命をもいとわなかった先達に申し訳が立たないではないか。
わたしは、何も軍国主義を称賛しているのではない。
社会生活を送る中で、個々が周囲との調和の中に、節度をもって為すべきことを為し、日本という国に、誇り
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