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債権法改正について(35)(契約の成立)

司法書士の岡川です。契約は、申込みの意思表示と承諾の意思表示が合致すると成立します。また、契約は、法律に特別な例外規定が定められていない限り、締結するもしないも自由であり、どのような内容、どのような方式でするかも自由です(契約自由の原則)。これらの大原則は、現行法の解釈上、全く異論がないところではありますが、改正法では、わざわざ明記されることになりました(改正521条、522条)。まあそれはいいとして。契約の成立について、「どのタイミングで成立するのか」というルールについて、時代に合っていないものがあります。なんせ、メールも電話も存在しない明治時代にできた民法ですから、申込みと承諾までに結構なタイムラグが生じたり、意思表示が相手方に到達しない間に何かが起きる危険も大きいという前提で作られています。例えば、意思表示というのは基本的に到達主義(97条)であり、相手に到達した段階で効力が生じるのが原則です。しかし、申込みと承諾という双方の意思表示が必要となる契約では、申込の意思表示が到達し、しかも、相手方が承諾していたとしても、その承諾の意思表示が申込者側に到達するまではさらに時間がかかる。双方の意思が合致してるのに、承諾の意思表示が到達するのを待たないと契約が成立しないのでは、迅速な取引に支障をきたすことになります。少なくとも明治時代は。そこで、到達主義を定めた97条1項の例外として、

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