前回の記事に書いたが、私が一連のソーシャルレンディングの事件を取り組むにあたっての疑問、やり玉にあがっている経営者たちは、「なぜ、こんな乱暴なことを平気でするのだろう?できるのだろう?」
そんな経営者の一人との証人尋問(当事者尋問)の結果は、思いがけないものだった。
私「相当な金利やコストを払っての、巨額の資金集めになっていますが、そのビジネスモデルは、どのようなものだったのですか?」
経営者「株式上場できれば、すべて返せたはずでした」
私「?!」
(少し間をおいて)
私「それって、投資家への返済資金として、また別の他人のお金を当てにしていたというスキームだったということですか???」
私「少なくとも、お金を集めるときに、そのような説明はしていませんでしたよね!」
詐欺の話でも書いたが、「最初から返す気もなかった」との立証は、そんなに簡単ではない。しかし、投資家に錯誤を与えるような虚偽表示の立証は、なんとかできるかもしれない。
この裁判では、裁判の最大の山場である証人尋問(集中証拠調べ)も完了し、来年初めに結審する予定だ。一連のソーシャルレンディング事件にかかわる集団訴訟としては、たぶん最初の判決は、来年春ころになりそうだ。
Source: 弁護士の良心
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