ソーシャルレンディングにかかわらず、複雑な金融裁判が長期になるのは、一般的に次のような訴訟過程を経るからです。
⓪ 提訴前訴訟準備期間(約3か月~6か月) 証拠保全や仮差押え等の司法手続きを含みますから、これ以上かかる場合もあります。
① 争点整理期間前半(約1年) 原被告が、お互いを牽制し合ながら、相手方の主張や証拠を探り合う前哨戦です。特に、相手が金融機関の場合、証拠が偏在していることから、お互いに求釈明を応酬しつつ、「あれ出せ、これ出せ」そして調査嘱託を申立て等、裁判官の顔色を見つつ、神経質なせめぎあいが続きます。
② 争点整理期間後半(約1年) ここで、一気に証拠を出し合って、原被告が自らの主張を整理していきます。原告側弁護士としては、上記①の探り合いから、一気に勝負を決めに行く必要があります。
③ 和解模索期間(約6か月) 証拠と主張が出そろった段階で、裁判官は、自分の判断(心証)をとるとともに、熱心に和解を勧めてきます。原告としても、裁判官が熱心に勧める以上、「条件次第で依頼者と相談します」と対応するしかありません。
④ 判決に向けた準備期間(約1年) 和解ができないと判断されると、損害額の確定(原告全員を1円単位で)及び当事者・証人尋問という判決に向けた準備をします。この尋問は、勝訴判決を決定づける最後のハードルとなります。
⑤ 結審から判決まで (約3か月) 判
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