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「マルチまがい商法」はマルチ商法だという話

司法書士の岡川です前回、「キングコング西野さんはマルチ商法はしていないという話」を書いたのですが、マルチ商法というのは、「会員に高額な品物を売りつける怪しげな商売」のような意味ではなく、「『他の会員を加入させたらあなたの儲けになる』として新規会員を勧誘して物を売る手法」をいいます。これにより、連鎖的に会員が会員を勧誘して階層組織が出来上がるから「マルチ(multi-level=多層の意味)」商法というのです。人を増やすことで利益を上げるというマルチの仕組みは、実際のところは大多数が利益を上げられずに損をするものなので、野放しにして損害が広がらないよう法律による規制の対象にもなっています。他方で、どんなに高額な物を売っても、人を組織に勧誘しなければ、階層組織を形成するというマルチの手法ではありませんから、仮にそれが悪質な売り方だったとしても「マルチ以外の悪質商法」ということになります。 「物を売っても人を勧誘しなければマルチじゃない」として、では逆に、「人を連鎖的に勧誘するけど物は売らない」という場合はどうなるか。マルチ商法は、自己の利益のために他の会員を勧誘して組織を拡大すること(その結果、階層組織になること)が本質ですから、その際に金を受け取る名目として、直接物を売るかどうかはそれほど重要ではありません。ところが、法律がある行為を規制するにあたっては、一定の要件を基準にマルチ商法

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