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医療事故紛争解決事例18〜大動脈解離の見逃し②

弁護士
 このシリーズで大動脈解離の見逃し①をアップしたのは、昨年の7月のことでした。ずいぶん間延びしてしまいましたが、それでも、継続は力なりと自分に言い聞かせつつ、②をアップします。
 
 Aさんは30歳の男性。ある日曜日の朝、奥さんの免許更新につきあうため外出の支度を始めたところ、突然の胸痛に襲われました。奥さんは、「立っていられない」と椅子にへたり込んだAさんに驚き、自家用車で近所のB病院に送っていきました。
 B病院で行われたのはまず心電図検査です。急性心筋梗塞が疑われたのでしょう。これは異常なし。それからしばらく待たされた後、単純及び造影CTが撮影され、これも異常なし。
 担当のC医師は、Aさんを胃もたれと診断しました。
 帰宅したAさんは、先に帰っていた奥さんにその旨を説明しました。しかし、Aさんの胸痛は続いています。奥さんは「大丈夫? 別の病院にいかなくてもいいの?」と心配しますが、Aさんは、「今日はもう疲れたよ、CTまで撮って、ちゃんとした先生が診てくれたんだから、何でもないんだろう、寝ていれば治るよ」と答えたそうです。「ただの胃もたれで1万5千円も使っちゃった」とぼやくAさんを、奥さんは「それで安心を買ったと思えばいいよ」と宥めました。

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Source: 九州合同法律事務所

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