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相続放棄後の管理責任

 司法書士の岡川です。全国的に大量の空家(管理不全建物)が存在していることは以前から大きな社会問題となっています。いわゆる空き家問題ですね。私は、大阪司法書士会空き家問題対策検討委員会の委員をやっていたこともあり、現在も高槻市空家等対策審議会の委員を現役で拝命しているところでして、空き家問題についてはちょっとだけ詳しいのです。さて、建物が空き家になる理由はいくつもありますが、大きな理由の一つが相続です。さすがに自分が住んでいた家を空き家にしてそのまま引越しすることはあまりない(高齢になって施設に入所するとかいう場合は除く)ですが、親から相続した建物がそのまま放置されるという例は少なくありません。さて、相続が発生した場合、相続を承認した相続人が所有者になります。当然ながら所有者として自由に処分する権利もあれば適切に管理する義務もあります。しかし、相続人が相続放棄をしてしまえば、被相続人(亡くなった親)の所有していた不動産はどうなるでしょうか。相続放棄をした人は、初めから相続人でなかったものとして扱われます(民法939条)。つまり、親が生前住んでいた実家が現在空き家になっているとしても、相続放棄した人は、その空家の所有権を取得することはありません。親が借金まみれで亡くなった場合、相続放棄をすればその債務を承継するのを免れるのと同じで、親の相続財産が欲しくもない空き家だけなら、

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