結審期日の報告のつづきです。
【意見陳述】
最後に、原告番号9番、奥晴海さん
奄美大島に住む70代の女性です(写真は奄美大島の海)。
母親が病歴者であった彼女は、1996年、らい予防法が廃止された年にお母さんを亡くし、「これでハンセン病との縁は完全に切れた」と思っていた。ところが、前の国賠訴訟と判決を経て遺族訴訟の原告になり、「やっぱり私が帰るところは、ここしかなかったのだな」と思った。遺族訴訟で、後に家族達の集う「れんげ草の会」を立ち上げることになる仲間と出会い、生まれて初めて「真の友」を得て、語り合うことにより、幼い日に両親を収容により奪われたために失われていた「自分」を知ることができた。毎年の厚労省での定期協議にも参加した。けれど、自分のことで訴えるなんて想像もできなかった。
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Source: 九州合同法律事務所
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