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「社会保険労務士とユニオンに係る、弁護士法72条違反との一考察」7(後編)

3 考察を踏まえた提言
よって、現状のままでユニオンは、個別的な組合員の労働問題に関して、関与ができないという論に発展するだろう。
 しかしながら、労働状況をめぐる歴史的背景において、民間企業、とりわけ中小零細企業においては、
必ずしも労働者からの苦情処理制度が整備・充足されていなかったため、ユニオンが団体交渉や労使協議といった手段を用いることで、
個別的にその問題の解決を図っていたという経緯がある。そして、法的アクセス方法に疎い個別労働者の受け皿的機能を果たすという一定の貢献をしてきた面は否定できない。
 個別的労働紛争における代理機能は原則に立ち返り、あくまで補充的にかつ限定的なものに限って存続させるべきである。
 そこで、ユニオンの活用において、以下の2つを提言する。
(1) ユニオンまたはユニオンの構成員に対し、「職務を適正に為し得るだけの資格を付与し、職務を適正に担保する規律に服すること」を法制化する。
(2) 個別的労働紛争に係る団体交渉につき、ユニオンが介入できる企業は、「常時雇用する労働者の数が30人以上とする」等の適用除外を施す。
(1)については、弁護士法72条の制定趣旨で詳細を述べたため、異論はなかろう。
また、(2)については、弁護士を雇うなどする体力がない中小零細企業には過度な負担をかけないよう、
一定規模以上の企業に対してのみ介入できるようにするといった

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