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債権法改正について(36)(危険負担)

司法書士の岡川です。債権法改正では、危険負担のルールについても大きく変わります。そもそも「危険負担」とは何かというと、双務契約(ざっくりいうと当事者双方が義務を負っている契約)上の債務の履行ができなくなった場合に、どちらがその不利益を甘受するかという問題です。より具体的にいうと、履行できなくなった債務と対価関係にある他方の債務(反対給付)は消滅するかどうかです。ただ、債務者の過失で履行できなくなったのであれば、債務不履行の問題として処理すればよいので、危険負担の問題は、債務者に過失がないような場合です。例えば、車の売買契約が成立した後、引渡し前に車に隕石が直撃して木っ端微塵にになった経験がある人もいると思います。私はないですけど。この場合、車の引渡債務を負う売主(債務者)が危険を負担するということであれば、売主の代金債権(=買主の代金支払債務)が消滅するということを意味し、代金をもらうことはできません。売主としては、車は消滅するし代金はもらえないし、で丸損です。逆に、買主(債権者)が危険を負担するということであれば、引渡債務が履行できなくなっても、代金債権(=買主の代金支払債務)は消滅しないということを意味し、車を渡さなくても代金をもらうことができるということになります。先ほどと違い、今度は買主が、車はもらえないし代金は支払うし、で丸損です。もっといえば、債務不履行の問題になる場合

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