スポンサーリンク

債権法改正について(37)(定型約款)

司法書士の岡川です。今日は、今回の債権法改正の目玉のひとつでもある「定型約款」の話。これは、完全に改正法で新設される概念です。とはいえ、実生活では今でも普通に存在するものですね。約款というのは、不特定多数を相手とする取引において、定型的な内容について予め定められている契約条項(の総体)をいいます。例えば、銀行で預金するのも一種の契約ですけど、銀行で口座を作るときに、いちいち銀行の担当者と交渉して契約の内容を決めていき、合意に達した段階で個別に契約書を作成し…なんてことはしませんね。予め銀行が用意している銀行取引約款(名称は様々)に基づいて取引が行われるだけです。口座開設するときには皆さん受け取っているはずですが、小さい冊子に細かい文字でびっしりと書かれたアレが約款です。あんなもん、誰も読みません。あれが約款です。ところで、契約というのは、当事者の合意(意思の合致)によって成立するものですから、約款を読んだこともない人との間で契約が成立するのか?という根本的な疑問が生じるかもしれません。内容を知らずに合意なんかできませんからね。ただ、予め約款が用意されている取引をするにあたっては、「約款に従って取引をする」という合意はなされているはずなので、この合意をもって契約が成立したと観念できます。つまり、一方当事者(主として事業者)が約款を用意し、他方当事者(主として消費者)は、「その約款にし

リンク元

コメント

タイトルとURLをコピーしました