亡野村克也さんは、「財を遺すは下、仕事を遺すは中、人を遺すは上」という名言を残していますが、私が独立前に勤めさせてもらった事務所からは、多くの司法書士が独立しています。私が事務所を出た後も、少なくとも2人の司法書士を産んでいて、私ごときが評価できることではないですが、まさしく『人を遺すは上』の世界だったと、後から気付くことになります。「司法書士は、派手な仕事ではありません」「司法書士は、儲かるような仕事ではありません」私がいる時も、そういう話を日々聞かされていたものです。今となっては、戒めとなる話ばかりです。給料が安い?自分のやりたい仕事ができない?若いうちは、そんなこと言う前に、与えれた環境で、精一杯やりなさい。若かった自分に、今なら自信を持って、そう言えます。私も同じように、若い資格者を雇用して、どんどん独立していって欲しい、と考えていた時期もあります。しかし、これはNO.2になる資格者と同等の力量を持った人が、もうひとり事務所にいないと、現実問題として難しい。事務所に開いた穴を、すぐに次の人が埋めてもらうのは難しい、ということが分かってからは、保守的に。今は、できる人の代わりなんて、そういるものではない。長く勤めてもらえる事務所にしよう、と考えています。人を遺すことはできません。
Source: 吉田浩章の司法書士日誌-堺市堺区-
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