『嫌われた監督 落合博満は中日をどう変えたのか』(鈴木忠平著)。この本は面白かった。個々の選手・人物ごとに章を分けられ、主に中日監督時代の落合のことが、スポーツ新聞の記者だった人によって書かれています。嫌われたのは選手からなのか、と思って読み進めていましたが、1億5,000万円の年俸が、優勝すれば5,000万円増額していく、といった契約だったところ、勝ち過ぎてしまったがために球団の経営を圧迫。球団から疎まれてしまった、という話でした。全体を通して伝わるのは、落合がいかに尖って生きてきたのか。群れずに生きてきたのか。人に合わせず、自分がやりたいようにする。それで超一流の結果を残してきたわけなので、格好のい良い生き方です。しかし、若い人に言葉で伝えず、「自分で考えろ」というのは通じない時代だと思っています。私も事務所の中で、職人の世界は「見て覚えるべし」と考えていた時期があるのですが、きちんと言葉で伝えないと、指揮官が考えていることなんて、分からない。分かるとすれば本当に能力がある人だけなので、そういう部分では落合監督は冷たいというか、「分かっていても言わない」「本当のことを言わない」というのは、近くにいれば恐い人物だっただろう、ということも思います。
Source: 吉田浩章の司法書士日誌-堺市堺区-
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