木曜日、「曽野綾子さんの本に、”全体の代理人になってはいけない”と書いてあった」と書いてましたが、正しくは、『弱者が強者を駆逐する時代(曽野綾子著)』にありました。書かれていたのは「大説は、よほど自信がないと世間を誤る。作家は一個人に徹するべきであって、複数の人々を代表するという視点を持ってはならない」(本の表現のまま)でした。この本が出たのが平成21年で、私が読んだのも、ちょうど弁護士や司法書士が消費者金融を叩いている時代でした。私は、曽野さんの言葉を、「司法書士は依頼者一人の代理人に徹するべきであって、複数の人々を代理するという視点を持ってはならない」と読み替えて、理解していました。それはともかくとして、この本。『弱者が強者を駆逐する時代』には、海外や昔の日本の話を出しながら、今の日本人がどれだけ恵まれた環境の中で、それを自覚せずに生きているか、が書かれています。当時、麻生政権から鳩山政権になったことに対しても、「日本人が変わらない以上、社会はそれほど変わるわけがない」と書かれていますが、本当にその通りでした。10年以上が経って、今、コロナ禍で、ある意味、先が見えない時代に読むと余計に、ああ、やっぱり日本は恵まれた国なんだな、ということが分かります。
Source: 吉田浩章の司法書士日誌-堺市堺区-
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